ファクタリングによる資金調達とは?メリット・デメリットを知ろう|税理士がわかりやすく解説

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ファクタリングによる資金調達とは?メリット・デメリットを知ろう

個人事業主が利用できる資金調達方法の一つに、ファクタリングと呼ばれるものがあります。すぐに資金を用意したい場合に効果的な方法ですが、リスクもあるため仕組みをきちんと理解しておくことが重要です。概要やメリット・デメリットを詳しく解説します。

甲田拓也 画像 サイト管理者の紹介 :甲田 拓也
公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表

早稲田大学商学部卒業後、PwCグローバルファーム(中央青山監査法人)や個人会計事務所を経て甲田拓也事務所を設立。 節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!

 

ファクタリングによる資金調達とは

ファクタリングによる資金調達とは

ファクタリングは、近年注目を集めている資金調達方法です。どのような仕組みなのか、まずは概要を理解しておきましょう。

売掛債権を使った資金調達方法

『ファクタリング』は『売掛債権』を現金化する資金調達方法です。ファクタリング会社に売掛債権を売却し、代金を受け取ることで資金を確保できます。

売掛債権は期日を迎えれば現金化できますが、資金繰りに問題を抱えているなど、いち早く現金を入手したいという場合もあるでしょう。ファクタリングを活用することにより、売掛金の入金期限前に現金が手に入ります。

売掛債権とは

商品やサービスを提供した企業や個人が、『売掛金』を取引先や顧客に請求できる権利が売掛債権です。売掛金とは、提供した商品やサービスの対価として、後払いで受け取る代金を指します。『ツケ』『カケ』と呼ばれることも多いでしょう。

一般的な取引においては、手間やコストがかかるため、商品やサービスを提供するたびに現金が支払われるケースはあまりありません。売上をいったん売掛金として処理し、月末や翌月末などにまとめて入金してもらいます。

売掛債権は会計上では資産として扱われるため、売掛債権を担保に借入を行うことも可能です。売掛債権には時効があり、権利を行使しないまま期限が過ぎると、原則として代金を回収できません。

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ファクタリングの種類

ファクタリングの種類

ファクタリングには、複数の種類が存在します。それぞれの特徴や利用目的について解説します。

買取ファクタリング

売掛債権を買い取ってもらうタイプが『買取ファクタリング』です。企業や個人事業主がファクタリング会社に売掛債権を売却し、手数料を差し引いた代金を受け取ります。

売掛債権の支払期日を迎えたタイミングで、売掛金が直接または間接的にファクタリング会社へ支払われます。売掛債権をできるだけ早く現金化したい場合に選択する方法です。

ファクタリング会社から前借りする形になりますが、金融機関からの融資と異なり、担保や保証人は必要ありません。審査にあたり、取引先の信用力が重視されます。

保証ファクタリング

売掛債権は、取引先の倒産などによる『未払いリスク』を内包しています。売掛金を回収できないケースに備えて、売掛債権を保証会社に保証してもらうタイプが『保証ファクタリング』です。

このタイプのファクタリングは、早期の現金化による資金調達を目的としているわけではありません。あくまでも貸し倒れリスクの軽減を目的とする方法です。

一般的には、取引先の信用力に不安がある場合に使われます。保証会社は取引先の信用力を調査して保証枠を決定するため、売掛金の全額を保証してもらえるとは限りません。

一括ファクタリング

買取ファクタリングの主体が自社であるのに対し、取引先が主体となっているのが『一括ファクタリング』です。

手形の代用として利用されるケースが多く、3社間で取引を行います。手形の収入印紙代削減や事務手続きを省略できることが特徴です。

国際ファクタリング

海外企業との輸出取引で利用するのが『国際ファクタリング』です。
日本国内の輸出業者(自社)、日本国内のファクタリング会社、海外業者、海外のファクタリング会社の4社間で行われ、海外業者から売掛金をきちんと回収することを目的としています。
国際ファクタリングを取り扱っている会社がまだ少ないため、即日での現金化が難しく、信用調査費や保証料、為替手数料などの利用費用が高くなることが特徴です。

医療ファクタリング

医療機関のみが利用でき、社会保険診療基金や国民健康保険団体連合会への診療報酬を業者が買い取り、現金化するタイプが『医療ファクタリング』です。
医療ファクタリングには「診療報酬ファクタリング」「介護報酬ファクタリング」「調剤報酬ファクタリング」の3種類があります。通常、報酬は2〜3ヶ月後に支払われますが、医療ファクタリングを利用することで早期に現金化できることが特徴です。

取引先が国なので、倒産や信用問題を心配する必要がありません。

ファクタリングの仕組み

ファクタリングの仕組み

買取型は、売掛金がどこに支払われるのかという違いにより、2種類の仕組みに分けられます。それぞれの具体的な内容やメリット・デメリットを覚えておきましょう。

 

2社間ファクタリング

売掛金を持つ企業や個人事業主と、ファクタリング会社の2社間のみで取引が成立するタイプです。売掛金は予定通り自社や個人事業主本人に支払われ、受け取った売掛金の金額分をファクタリング会社に支払います。

サービスを利用している事実を取引先に知られることがないため、取引先との取引関係に影響を与えない点がメリットです。売掛債権売却に関する取引先の合意を得る必要もなく、よりスピーディーに資金調達できます。

ただし、ファクタリング会社は取引先から直接回収できないリスクを負うため、手数料が高めに設定されることが一般的です。

2社間ファクタリング

 

3社間ファクタリング

サービスを利用する上で、取引先の合意を必要とする方法が3社間タイプです。売掛金は取引先から直接ファクタリング会社へと支払われます。

ファクタリング会社にとっては売掛金の回収に関与する者が少ないことから、2社間タイプに比べ手数料を安く設定する傾向があります。

取引先の合意を得るための時間が必要になる点がデメリットです。また、売掛債権の売却を取引先に知られてしまうため、取引関係に悪い影響を与える可能性もあります。

3社間ファクタリング

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ファクタリングのメリット

ファクタリングのメリット

早急な資金調達が可能な点や、売掛金の未回収リスクを回避できる点が、ファクタリングの主なメリットです。それぞれについて詳しく解説します。

短期間で資金調達が可能

ファクタリングの大きなメリットとして、短期間で資金を調達できる点が挙げられます。ファクタリング会社によっては即日で対応してもらうことも可能です。

銀行で融資を受ける場合は、最低でも2週間~1カ月は審査期間を必要とします。審査に必要な書類の準備期間も含めると、さらに時間がかかるでしょう。

できるだけ早急に資金を準備して状況改善を図りたいといったケースでは、サービスの利用を検討するのがおすすめです。

未回収リスクがない

ファクタリングにおいては、売掛債権を売却する契約を結びます。売掛債権を譲渡した時点で、売掛金の未回収リスクはファクタリング会社に移行します。

取引先の倒産などにより売掛金を回収できなくなった場合も、ファクタリング会社に未回収分を支払う必要はありません。未回収分にどう対応するかは、基本的にファクタリング会社側が考えるべき問題です。

早期の資金調達を目的とするだけでなく、未払いリスクを回避する目的としても活用できます。

ファクタリングのデメリットと注意点

ファクタリングのデメリット

ファクタリングにはいくつかのデメリットも存在します。利用時に注意すべき点とともに、申し込みを検討する際の参考にしましょう。

手数料がかかる

ファクタリングの利用には手数料がかかります。3社間タイプでは1~5%、2社間タイプの場合は10~30%が目安です。

手数料のみを考慮するなら、銀行融資やビジネスローンを利用したほうが安価でしょう。銀行融資の場合は、1%台の手数料で利用できるケースもあります。

取引先に知られることなく、可能な限り早く資金調達したいと考えるなら、それなりの代償を支払わなければならない点に注意が必要です。

利用実績を知られる場合がある

3社間タイプを利用する場合、利用に関する合意を取引先から得なければなりません。合意を得られるかどうかにかかわらず、売掛債権の売却意思を取引先に知られてしまいます。

取引先からすると、「売掛金の入金を待てないので、サービス会社に立て替えてもらいます」というメッセージを伝えられている状況です。資金繰りに問題があるのではないかと思われれば、今後の取引に悪影響を及ぼしかねません。

取引先との関係に影響を与えたくない場合は、2社間タイプを利用しましょう。ただし、高額な手数料を取られる可能性が高くなります。

悪徳業者が存在する

ファクタリングサービスを提供する会社の中には、悪徳業者が一定数存在します。早く資金調達したい心理につけ込み、利用者にとって不利な条件を押し付けてくるため注意が必要です。

一般的に、悪徳業者は著しく高い手数料を設定しています。売掛金が回収できない場合、利用者が債権を買い戻すといった条件を定めているのも特徴です。

契約書を提示しなかったり、料金の内訳を教えなかったりするというのも、悪徳業者によくある手口です。少しでも不審な点がある業者は利用しないようにしましょう。

個人事業主は対象外のことも

ファクタリングの審査では、取引先の信用力が最重要視されます。たとえ申し込み者が個人事業主であっても、未回収リスクが低ければ審査は通過するでしょう。

ただし、ファクタリング会社によっては個人事業主を対象外としているケースもあります。良質な売掛債権を持っていない場合が多いことや、社会的信用度の低さが主な理由です。

2社間タイプの場合、売掛金がきちんと支払われても、利用者が使い込んでしまえばファクタリング会社が利用者から代金を回収できなくなるおそれもあります。個人事業主が対象外となるのは、このようなリスクが重視されているためです。

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ファクタリングに申し込む際の一般的な必要書類

ファクタリングに申し込む際の必要書類

法人がファクタリングに申し込む際、どのような書類が必要になるのでしょうか。

迅速に手続きを進めるために、一般的に必要とされている書類内容をご紹介します。ファクタリング会社によって必要書類は異なりますので、お申込み時別途ご確認ください。

<例>
①登記簿謄本
②印鑑証明書
③決算報告書
④預金通帳
⑤請求書、契約書、発注書などの売掛債権書類

まとめ

ファクタリングはほかの資金調達方法に比べ、よりスピーディーに現金を調達できる点が大きな特徴です。売掛金を回収できない危険性も回避できます。

2社間タイプと3社間タイプの2種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。仕組みをきちんと理解し、慎重に検討した上で利用しましょう。

 

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