クラウドファンディングで資金調達。メリット・デメリットを解説
, 個人事業主
インターネットを利用してプロジェクトを公開し、支援者から広く資金を調達する方法がクラウドファンディングです。個人事業主や小規模企業でも資金を集めやすい手法として定着しつつあります。メリットや注意点、実施の流れについて解説します。
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サイト管理者の紹介
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表) 早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中! |
クラウドファンディングの種類
クラウドファンディングの種類は、大きく分けて購入型・寄附型・投資型の三つです。プロジェクトの趣旨や支援者へのリターンが、種類ごとに異なります。
購入型クラウドファンディング
起案者のプロジェクトに賛同した支援者が、資金投入のリターンとして商品やサービスを得られるタイプです。起案者が提供する商品やサービスを購入する形となるため、『購入型』と呼ばれます。
商品やサービスだけでなく、何らかの権利や体験を得られるケースもあります。金銭的な見返りを期待できない点が、『投資型』との大きな違いです。
日本国内で現在行われているクラウドファンディングの大半は、購入型に該当します。オリジナル商品の開発や映画・アニメの制作など、多彩な内容のプロジェクトが公開されています。
寄附型クラウドファンディング
『寄附型』では、各種支援事業などのプロジェクトに対し、支援者が寄附の形でお金を支払います。金銭・商品・サービスなど、支援者に対するリターンはありません。
起案者と支援者のどちらも、利益や見返りを求めない社会貢献を目的としている場合がほとんどです。主なプロジェクトの内容には、社会的弱者支援・環境保全・災害支援などが挙げられます。
起案者から支援者に対し、活動報告やお礼のメッセージが送られるケースもあります。支援金は寄附金となるため、寄附先によっては、確定申告を行うことで支援者が『寄附金控除』の適用を受けられる場合もあります。
投資型クラウドファンディング
支援者が金銭的なリターンを得られるタイプが『投資型』です。融資型・ファンド型・株式型の3種類に分けられます。
『融資型』は、支援者に融資してもらう仕組みのクラウドファンディングです。少額で始められることや、金利が高めに設定されていることが、支援者側のメリットといえます。
起案者の事業に対して出資するタイプが『ファンド型』です。支援者は、事業の収益に応じたリターンを受けられます。事業の将来性に期待して出資する形となるのが特徴です。
『株式型』では、出資者がリターンとして非上場企業の未公開株を受け取れます。事業に出資するファンド型に対し、株式型は企業自体の業績に期待して出資を行うタイプです。
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クラウドファンディングのメリット
購入型や寄附型のクラウドファンディングには、資金を集められること以外のメリットもあります。以下に挙げる三つの魅力を覚えておきましょう。
ファンを獲得できる
インターネット上で公開するプロジェクトは、不特定多数の人の目に触れるため、ファンを増やせる可能性があります。認知度が高まることで、商品やサービスを継続的に使用してもらいやすくなる点がメリットです。
自社の活動内容や商品・サービスを広く知ってもらえば、ブランディングの向上にもつながるでしょう。
ファンの獲得やブランディングは、一般的にコストをかけて行われます。クラウドファンディングの活用により、コストを大幅に抑えられる点も魅力です。
商品やサービスのニーズを測れる
世間から共感を得て資金を獲得するクラウドファンディングは、テスト販売の側面も備えています。ネット上に公表した商品やサービスに、どのくらいのニーズがあるのかを測ることが可能です。
購入型で商品やサービスを販売する際は、テスト販売であることをあらかじめアナウンスできます。実際に購入した支援者から感想を集めれば、改善点を把握するのにも役立つでしょう。
テスト販売なら小ロットで生産できるため、売れ行きが悪かった場合の廃棄コストも抑えられます。満足感を得られない商品を販売し、企業の評判を悪化させてしまうことを防ぐのにも有効です。
マーケティング、PRに役立つ
クラウドファンディングで商品やサービスに対するイメージを把握すれば、自社のマーケティングに反映できます。消費者が潜在的に感じている欲求や、利益を出せる客層を把握することが可能です。
インターネット上でプロジェクトを公開できるため、情報が広く共有されやすいというメリットもあります。多くの人から共感を得られれば、SNSなどで拡散してもらえるでしょう。
場合によっては、メディアに取り上げてもらえる可能性もあります。コストを抑えながらPR効果を狙える点が、クラウドファンディングの持つ大きな魅力の一つです。
クラウドファンディングで資金調達する注意点
クラウドファンディングには、いくつかのデメリットも存在します。リスクの種類や内容をしっかりと理解しておけば、安全に利用できるでしょう。
達成できない可能性がある
クラウドファンディングは資金集めに有効な方法ですが、利用すれば必ずお金を集められるとは限りません。目標金額に達しないことも十分にあり得ます。
資金がなければ実行できないプロジェクトの場合、目標金額を達成しなければ、支援金は全額キャンセルとなる場合もあります。
プロジェクトページの作成や支援者へのリターンに、コストがかかる点にも注意が必要です。目標金額を低く設定しすぎたり、リターンの内容を豪華にしすぎたりした場合、コストをまかなえなくなる恐れがあります。
時間と手間がかかる
クラウドファンディングでは、起案者と支援者が直接顔を合わせる機会がありません。資金不足でリターンが行われないなどのトラブルが発生しないよう、公開前に起案者の審査が行われます。
審査ではプロジェクト内容も入念にチェックされるため、ある程度の時間がかかります。資金調達自体も一般的には数カ月かかるため、利用する際は時間に余裕を持って行動することが大切です。
リターンの発送や分配金の支払いなど、さまざまな作業に手間がかかる点も意識しておきましょう。支援者への対応は起案者側で行う必要があるため、システムの構築やスタッフの配置にコストがかかる可能性もあります。
プロジェクトを中止できない
クラウドファンディングでプロジェクトを公開すると、原則として途中で止めることはできません。支援が思うように集まらないといった理由で、プロジェクトを中止することは不可能です。
プロジェクトを中断した場合は、集まったお金を支援者に全額返金しなければなりません。資金調達に失敗することになるうえ、世間からの信用も失ってしまいます。
プロジェクトを公開する際は、中止できないことを前提とした計画をきちんと立てる必要があるでしょう。
クラウドファンディング実施の流れ
プロジェクトの立ち上げから募集開始まで、実際のクラウドファンディングの大まかな流れを紹介します。それぞれのプロセスで意識すべきポイントも押さえておきましょう。
プロジェクトの立ち上げ
クラウドファンディングを実施する際は、最初にプロジェクトを立ち上げる必要があります。プロジェクトを決めるのに重要な要素は、ターゲット・目標金額・リターンの三つです。
ターゲットの設定では、ニーズを細分化した絞り込みを意識しましょう。『スポーツが好きな人』ではなく、『草野球が好きな40代男性』まで絞り込めば、アプローチの方法やリターンの内容を考えやすくなります。
目標金額に関しては、最低金額を設定したうえで、使い道を明確に示すことが重要です。リターンの内容は、支援者の支援金額に合わせて変えられるよう、数種類を用意しておくとよいでしょう。
サイト選定・申し込み・審査
プロジェクトが完成したら、次にプロジェクトを公開するサイトを選定します。日本国内だけで複数のサイトが存在し、得意分野や手数料がそれぞれ異なるため、慎重に吟味することが大切です。
サイトにプロジェクトを登録する際は、発案までの経緯や内容・目的を明確にしたうえで、起案者側の熱量が世間にしっかりと伝わるPR資料を用意しましょう。
申し込みが済んだら、サイト側でプロジェクト内容の審査が行われます。修正を求められたりアドバイスを受けたりした場合は、良好な関係を保つためにも適切に対応しましょう。
募集開始
審査に通過し募集が開始されたら、自社のSNSなどを駆使して積極的に広報活動を行いましょう。公開前に事前予告していた場合も、公開直後に公開したことをアナウンスすればより効果的です。
プロジェクト公開後の数日間は、露出が高まるため資金が集まりやすくなります。この時期に目標金額の20%を達成できた場合、プロジェクトの成功率は70%以上です。
募集期間終了の5日前までに達成率が50%以上になっていれば、90%の確率でプロジェクトは成功するといわれています。新着情報の更新やSNSでの発信を継続しつつ、オフラインでの説明会なども実施するとよいでしょう。
資金調達を成功するポイント
クラウドファンディングを成功に導くポイントとしては、SNSの利用や魅力的なストーリー作成が挙げられます。それぞれについて理解を深め、効率よく資金を集めましょう。
SNSなどで積極的に発信する
クラウドファンディングで資金調達を成功させる大きなポイントの一つに、SNSを利用した積極的な情報発信が挙げられます。世間の共感を得たり信頼を獲得したりするのに、SNSは最適なツールです。
若者層をターゲットにしたプロジェクトなら、SNSで爆発的に支援者が増える可能性もあります。プロジェクトページの露出ができるだけ高まるよう、継続的に情報発信を行うことがポイントです。
特にプロジェクト公開前後は、積極的な広報活動を意識しましょう。公開直後から高い資金調達率を示せれば、人気があると判断されてその後も資金が集まりやすくなります。
人を惹きつけるストーリーを作る
クラウドファンディングは、プロジェクトが人々の共感を得ることで、支援金が集まる仕組みの資金調達方法です。人を惹きつける情熱的なストーリーを作れば、人の心を動かしやすくなるでしょう。
単に『目標を達成したいからお金をください』と伝えるのではなく、クラウドファンディングを利用しようと思った理由を、ドラマティックに演出するのがポイントです。
ストーリーを作る際は、自分の言葉で伝えることを意識しましょう。手書きで書いた文章を、スキャンして掲載するのもおすすめです。
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まとめ
クラウドファンディングは、ネット上にプロジェクトを公開し、共感を得た支援者から支援金を集める資金調達方法です。主に、購入型・寄附型・投資型の3種類があります。
資金調達以外にも、ファンの獲得やテストマーケティングに役立ちます。人の心を動かせる魅力的なプロジェクトを発案できたら、クラウドファンディングでの資金調達に挑戦してみましょう。
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