配当権利つき最終日?それ、ウソかも…

2020.03.29 , スタッフブログ

配当権利付き最終日?それ、ウソかも…

皆様こんにちは。甲田事務所・公認会計士/株式会社クラウドソリューション取締役の成田です。

新型ウイルスの影響で世界中の株価が乱高下しています。日経平均株価でみても年初と比べると約30%も急激に下落しており、ウイルス終息後の回復場面を見込んで買いを入れたという方もいらっしゃるかもしれません。

もし先週月曜日の段階でピンポイントで買いを入れられたという方であれば2日間で日経平均は2600円余りも反発しましたので相当の利益を得られたのでしょうが、その前の週から「騰落レシオ」や「25日移動平均線との乖離率」といった指標ではとっくに底値を示唆していたにもかかわらず更なる値下がりを記録したこともあり、底値狙いではむしろ損失を被ってしまったというケースの方が多いかもしれません。

当方は投資顧問業ではありませんので売買タイミングについてアドバイスを行うことは致しませんが、こうした混乱期では下手に短期で勝負をかけるよりも無理をせず資産を守ることに徹した方が結果的には投資成果は上がるのかもしれません。

配当権利付き最終日?本当に?

去る3月27日の金曜日は、巷では3月末決算企業の「配当権利付き最終日」と言われている日でした。「配当権利付き最終日」とは、株主が当該銘柄を保有することで配当を含めた株主権利を得ることができる最終売買日を指します。配当や優待といった株主権利を享受するためには、各企業が定めている基準日に株主として株主名簿に掲載されている必要がありますが、名義書き換えには時間を要するため、基準日の2営業日前の権利付最終日までに株式を購入しなければなりません。今年の場合、3月31日を基準日とする企業であれば、土日を除くとその2営業日前が27日の金曜日でした。したがって巷ではこの日が「配当権利付き最終日」とされ、この日も値ごろ感に加え、配当権利を狙った買いも集まった結果、日経平均株価は700円を超える大幅高となりました。

配当が出るとは限らない!

新型ウイルスの影響

しかし今年は新型ウイルスの影響で、例年であれば「配当権利付き最終日」とされる日に株式を保有していても、配当をもらえない可能性があるのです。。

定時株主総会の開催について(法務省)

上記によると、定款で定めた時期に定時株主総会を開催することができない状況が生じた場合には、その状況が解消された後合理的な期間内に定時株主総会を開催すれば足りる旨書かれています。

現行の会社法の規定は

現行の会社法上、基準日時点の株主が行使できる権利は、当該基準日から3か月以内に行使するものに限られます(会社法124条第2項)。定款で定時株主総会における権利行使のための基準日が定められている場合において、今回の新型ウイルスに関連し、当該基準日から3か月以内に定時株主総会を開催できない状況に陥った場合、会社は、新たに権利行使のための基準日を定め、当該基準日の2週間前までに当該基準日及び基準日株主が行使することができる権利の内容を公告する必要があります(同条第3項)。

つまり、3月31日が決算の企業が事業年度終了後3か月以内(要は6月末まで)に定時株主総会を開催できない状況に陥り、配当を含む権利の基準日を変更することとなった場合、上記の「配当権利付き最終日」までに株式を保有していたとしても、その後新たに定められた基準日まで保有し続けない限り、配当はもらえないということになるのです!

3か月以内に株主総会が開催されない可能性は?

私は公認会計士として現在も監査法人に非常勤として参画し、上場企業の監査に引き続き従事しているのですが、関与しているクライアントの海外子会社で残念ながら新型ウイルスの感染者が出てしまい、当該子会社は2週間の業務休止を余儀なくされています。グループにおいて重要な構成単位と位置付けられている子会社の業務が管理部門も含めて休止を余儀なくされていることから、グループの決算、ひいては株主総会の開催時期が延期になることは十分にありえます。肌感覚になりますが、こうしたケースは今後相当程度生じるものと想定されます…

買ってしまった株式の今後は…

以上の状況を勘案すると、先週末の「配当権利付き最終日」とされる日に株式を保有していても配当は貰えない可能性は、残念ながらそれなりにあるものと思われます。配当がもらえないだけであればまだよいのですが、気になるのは今後の株価推移でしょう。一般に権利落ち後の株価は、配当相当分は下落するのが通常ですが、強気相場であれば配当相当分などすぐに埋められ、配当というインカムゲインに加え値上がり益というキャピタルゲインも享受できます。

しかし、東京市場の引け後の海外市場の状況は芳しくありません。各地で医療崩壊が発生している欧州のマーケットは軒並み5%前後の大幅下落、NYダウも900ドルを超える暴落となっており、週明けの東京市場にも少なからず影響が及ぶことが想定されます…

配当も貰えず、しかも値下がり損…厳しいですが、十分ありえます。。

まとめ

今回、配当狙いで金曜日に株式に資金投入した方にとっては厳しい局面となってしまうかもしれません。現在のようなボラティリティの高い相場環境では、下手に配当を狙った結果、配当以上に大損してしまうという状況が簡単に生じてしまいます。こうしたことにならないためには、冒頭に記した通り無理な取引はせず資産を守ることに徹することが大事になってくるのかもしれません。ボラティリティが高いということは、短期間で大きな利益を得られるチャンスもあることは間違いないのですが、同時に短期間で大損をしてしまうリスクもかなり高いです!

私自身はというと…ピンポイントでベストなタイミングでの売買は無理にしても、過去に配当狙いで大きな損失を出したことなどの経験を活かし、リスク管理を徹底した結果、今回のコロナショックでもトータルではそれなりにプラスの結果を残せています。繰り返しになりますが当方は投資顧問業ではないので売買タイミングについてのアドバイスはいたしませんが、今後もこちらのスタッフブログでは「こんな感じでリスク管理をしています」といった感じのご紹介はしていこうと思いますので、ご参考までにお付き合いいただけますと幸いです。

※株式等の金融商品に対する投資はあくまでも自己責任でお願いいたします。本ブログをご覧になった方の投資結果について、私および公認会計士税理士甲田拓也事務所、株式会社クラウドソリューションは一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 

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