個人事業主がもらえる給付金を整理、課税対象になる場合に注意!

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個人事業主がもらえる給付金を整理、課税対象になる場合に注意!

新型コロナの影響で打撃を受けているなら、各種給付金の利用を検討しましょう。コロナにより業績が落ちた事業者のために、2020年から21年にかけ多くの制度が新設されました。個人事業主が活用できる給付金や、経理処理のポイントを解説します。

甲田拓也 画像 サイト管理者の紹介 :甲田 拓也
公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表

早稲田大学商学部卒業後、PwCグローバルファーム(中央青山監査法人)や個人会計事務所を経て甲田拓也事務所を設立。 節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!

 

 

給付金とは?

給付金とは?

給付金とはどのようなお金のことを指すのでしょうか。言葉の意味や補助金・助成金との違いを解説します。

国や自治体から支給されるお金

『給付金』とは、国や地方自治体が支給する返済不要のお金です。主に小規模事業者や一般国民に対して支給されます。

2020年5月には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて業績が悪化した事業者に対し、『持続化給付金』の申請がスタートしました。

持続化給付金は、売上が前年同月比50%以上減少している事業者に対し、個人事業主なら最大100万円が支給される制度です。申請受付は21年5月に終了しています。

そのほか、個人を対象に支給される主な給付金には、『失業等給付』『すまい給付金』『育児休業給付金』などがあります。雇用保険関係の制度が多いのが特徴です。

補助金・助成金との違い

給付金と似た現金支給制度に『補助金』と『助成金』があります。どちらも給付金と同じく、返済する必要のないお金です。

補助金は主に事業の立ち上げ・継続・発展をサポートするために支給されます。件数や予算に制限があり、受給条件を満たしていても審査を通過しなければ受給できません。

助成金は、研究開発や雇用などへの活用を目的として支給されるお金です。受給条件をクリアしていれば、基本的には必ず受給できます。

補助金・助成金以外に広義の目的で支給されるお金が給付金です。助成金と同様に、受給条件を満たしていれば、受給申請を行うことでもらえます。

2021年はコロナ対策の給付金が豊富

2021年はコロナ対策の給付金が豊富

2020年から続くコロナ禍の影響を受け、21年は多くの給付金を活用できる状況となっています。個人事業主でも利用可能な制度をチェックしておきましょう。

住居確保給付金

新型コロナの影響により、休業などの理由で収入が減少した人に対し、家賃相当額を支給する給付金制度です。市区町村が定める金額を上限とし、最長9カ月分の家賃額を受給できます。

離職・廃業して2年以内であることや、世帯収入の合計額が収入基準額以下であることなどが支給条件です。2021年9月末まで申請できます。

支給期間は原則3カ月ですが、2回まで延長可能です。20年度中に新規申請して受給を開始している場合、21年1月1日以降は最長12カ月まで支給期間を延ばせます。

支給された給付金は、物件のオーナーや不動産会社へ直接支払われます。問い合わせや申請は、住んでいる自治体の自立相談支援機関で行いましょう。

参考:厚生労働省|厚生労働省生活支援特設ホームページ | 住居確保給付金:制度概要

感染拡大防止協力金

新型コロナ感染拡大防止のために、営業時間の短縮や休業を要請された飲食店などに対し、協力金を支給する制度です。自治体ごとに独自の条件を設けて実施されています。

東京都の場合、21年4月1日~4月11日実施分の申請受付期間が、5月31日~6月30日に設定されています。支給額は1店舗あたり44万円です。

『感染防止徹底宣言ステッカー』の掲示や、『コロナ対策リーダー』の選任・登録など、いくつかの要件を全てクリアする必要があります。スマホやパソコンを使ってオンライン申請をすることが可能です。

感染拡大防止協力金は、新型コロナの感染状況により、今後も実施される可能性があります。自治体から発信される情報を小まめに確認しましょう。

参考:営業時間短縮に係る感染拡大防止協力金(都内全域)4月1日から4月11日実施分中小事業者向け

月次支援金

21年1月に発令された緊急事態宣言の影響により、事業収入が減少した中小企業や個人事業主に給付金を支給する『一次支援金』は、6月中旬に申請受付が終了しました。

一次支援金を引き継ぐ形で新設された『月次支援金』の申請受付が、6月16日に開始しています。月次支援金は、緊急事態措置またはまん延防止等重点措置の影響を受け、収入が減った事業者に対して給付金を支給する制度です。

中小企業はひと月あたり最大20万円、個人事業主は最大10万円を受給できます。4~5月分の申請受付期限は8月15日、6月分の期限は8月31日です。

月次支援金の支給を受けるためには、21年における対象月の売上が、19年または20年における基準月の売上に比べ50%以上減少していなければなりません。

参考:月次支援金

そのほか個人事業主が使える支援制度

そのほか個人事業主が使える支援制度

新型コロナ関連以外にも、個人事業主が利用可能な助成金や補助金は数多くあります。代表的な支援制度である、創業助成金と小規模事業者持続化補助金の概要を解説します。

創業助成金

都内での創業を予定している人や、創業後5年未満の個人事業主なら、東京都の創業助成金制度を活用できます。

100万~300万円の範囲内で、創業にかかる費用の一部を助成する制度です(助成対象経費の2/3以内)。広告費・器具備品購入費・賃借料・従業員人件費などが、助成対象経費として認められます。

個人事業主の場合は、開業届を提出して5年未満であることや、納税地が都内に実在することなどが条件です。また、指定された創業支援事業を、申請までに利用していなければなりません。

参考:創業助成金(東京都中小企業振興公社)|融資・助成制度

小規模事業者持続化補助金

全国の小規模事業者を対象に、販路拡大などにかかる費用の一部を補助する制度です。『一般型』と『低感染リスク型ビジネス枠』の2種類があります。

一般型の補助上限額は50万円です。一定の要件を満たせば、さらに50万円引き上げられます。

補助率の上限は対象経費の2/3です。機械装置費・広報費・展示会出展費・旅費・開発費・資料購入費などが、補助対象経費として認められます。

低感染リスク型ビジネス枠の補助上限額は100万円です。補助率の上限は対象経費の3/4となっており、対象経費には感染防止対策費などが追加されています。

一般型は商工会議所での相談が必須ですが、低感染リスク型ビジネス枠の受付は『jGrants』による電子申請のみです。

参考:小規模事業者持続化補助金 |東京商工会議所

給付金や補助金の経理処理のポイント

給付金や補助金の経理処理ポイント

給付金を受け取った場合は、原則として確定申告を行い、所得税を納税する必要があります。課税所得扱いとなる給付金の種類や、申告書の記載方法について解説します。

課税対象の給付金は確定申告が必要

給付金・助成金・補助金には、課税対象になるものとならないものがあります。課税対象になる支援金を受け取った場合、確定申告を行い税金を支払わなければなりません。

基本的に、売上や経費を補てんするために支給される支援金は課税対象となります。一方、特別定額給付金や子育て世帯への臨時特別給付金、学生支援緊急給付金などは非課税です。

国や自治体から支給される支援金は全て所得であり、所得には課税されるのが原則です。非課税扱いとなっている支援金は、その旨を法律で定めています。

課税対象になる給付金

新型コロナの影響で新設された、持続化給付金・家賃支援給付金・休業要請協力金・Go Toキャンペーン事業における給付金・小学校休業等対応助成金は、全て課税所得となる支援金です。

小規模事業者持続化補助金・IT導入補助金・雇用調整助成金・働き方改革推進支援助成金も、全て課税対象となっています。受給した場合は確定申告しなければなりません。

なお、新型コロナに関連して設けられた貸付制度を利用した場合、借入金に税金はかかりません。返済額のうち利息分のみを経費として計上します。

所得税申告書の書き方

白色申告で確定申告するケースでは、収支内訳書の『収入金額』欄の『その他の収入』に、給付金の金額を記載します。

青色申告の場合は、青色申告決算書の『売上(収入)金額』欄に、通常の売上と給付金の金額を合計した金額を記載しましょう。また、『月別売上(収入)金額及び仕入金額』欄の『雑収入』に、給付金の金額を記入します。

それぞれの裏面にある『本年中における特殊事情』には、給付金の内訳と金額を書いておきましょう。確定申告書Bの『収入金額』欄には、青色と白色のどちらの場合でも、通常の売上と給付金の金額の合計を記載します。

まとめ

給付金は、助成金や補助金と同様、国や自治体から支給されるお金です。新型コロナの影響で売上が減少した事業者のために、数多くの給付金制度が新設されています。

課税対象となっている給付金を受け取った場合は、確定申告が必要な点に注意が必要です。それぞれの受給条件をきちんと確認し、申請可能な給付金は積極的に活用しましょう。

 

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