個人事業主 資金調達方法 6選!目的と状況に応じて選択しよう

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個人事業主 資金調達方法 6選!目的と状況に応じて選択しよう

事業を立ち上げる予定の個人事業主や創業から間もない会社は、事業を安定させるために資金調達を検討する場合もあるでしょう。複数の方法があるため、仕組みや難易度を理解した上で、適切な方法を選ぶことが重要です。調達方法の種類や具体例を紹介します。

甲田拓也
サイト管理者の紹介
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!

 

資金調達とは

資金調達とは

資金調達は、どのような目的やタイミングで行われるものなのでしょうか。方法を知る前に、まずは資金調達の基本をおさらいしておきましょう。

事業のために必要な費用を調達すること

企業や個人事業主が事業を進めるためには資金が必要です。資金が足りなければ、事業の下支えとなるものを生み出したり維持したりできないため、利益を上げられません。

不足している資金を補う目的で、主に外部からお金を調達することが『資金調達』です。資金が足りないときだけでなく、事業の成長を加速させたいときにも資金調達が行われます。

資金を調達する際は、短期と長期のどちらで返済を行うかを考慮し、資金計画を立てるのが基本です。資金の利用目的により、返済期間は異なります。

資金の調達方法にもさまざまな種類があるため、状況や目的に応じて適切な方法を選ばなければなりません。借金以外の方法で調達可能なケースがあることもポイントです。

資金調達を検討するタイミング

新規事業を立ち上げる場合、事業開始後しばらくは赤字経営になるのが一般的です。経営が軌道に乗るまでの間は、赤字を乗り切るための資金が必要となります。

特に、初めて事業経営に取り組む個人事業主は、十分な自己資金を用意できない場合が多いでしょう。事業開始当初に発生する設備投資費や各種固定費を支払うために、資金調達を検討するのが基本です。

事業拡大時にも資金の確保を必要とするケースがあります。収益をさらに伸ばせるチャンスが訪れても、資金不足のために事業拡大へ備えられなければ、商機を逃すことにもなりかねません。

 

資金調達方法の分類

資金調達方法の分類

資金調達の方法は、以下に挙げる3種類に大別できます。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

デットファイナンス

借り入れにより資金を集める方法が『デットファイナンス』です。調達した資金は借入資金となるため、負債を抱えて返済義務が発生することになります。

金融機関からの融資や社債発行など、豊富な調達方法を選択肢にできる点がメリットです。手形割引・社内預金制度・ビジネスローンなども、デットファイナンスに含まれます。

返済時に発生する利息が、損金として処理できる点もポイントです。損金分だけ利益を減らせるため、節税につなげられます。

デメリットとしては、自己資本比率が下がることによる信用力の低下が挙げられます。返済負担が増しキャッシュフローが出にくくなれば、経営が不安定になる場合もあるでしょう。

エクイティファイナンス

新株を発行して出資を受け、増資する方法を『エクイティファイナンス』といいます。ベンチャーキャピタルやクラウドファンディング、第三者割当融資などが、代表的な調達方法です。

エクイティファイナンスにより得た資金には返済義務が発生しないため、財務体質を強化できます。より安定的な経営を目指せる点がメリットです。

一方、株式を発行しなければならないことから、利用できるのは法人に限定されます。株主に経営権を握られる可能性がある点や、配当金の支払いにコストがかかる点もデメリットです。

アセットファイナンス

『アセットファイナンス』とは、保有する資産を売却して現金化する方法です。不動産や無駄な在庫などの『有形資産』だけでなく、営業権や商標権といった『無形資産』も売却できます。

その他の具体例としては、売掛債権を売却する『ファクタリング』や、売却した有形資産を引き続き借りて使用する『リースバック』が挙げられます。

信用力が低い状態でも、保有資産があれば資金調達できる点が大きなメリットです。不必要な資産を手放すことで管理コストを削減できるため、財務体質の改善にもつながります。

ただし、売却する資産が信用を得られなければ、十分な資金を集められません。買い手がつく魅力的な資産を保有していることが条件です。

 

金融機関からの借り入れ

金融機関からの借り入れ

事業規模が小さい会社や個人事業主が利用しやすい、金融機関からの借り入れ方法を紹介します。自分に合った資金調達を検討する際の参考にしましょう。

日本政策金融公庫

『日本政策金融公庫』は、政府全額出資の公的金融機関です。個人事業主や設立して間もない会社でも、融資を受けやすい条件が設けられています。

融資額が比較的高額になりやすい点や、低金利で借り入れできる点がメリットです。原則として担保や保証人も必要ありません。

返済期間を最低5年から選択するため、返済負担を抑えられる点もポイントです。期日通りにきちんと返済を続けていれば融資実績となり、他の金融機関からの借り入れもしやすくなります。

融資条件が良い一方で、返済能力を判断するための審査は厳しくなります。多くの書類を用意しなければならないことや、融資実行まである程度の時間がかかることもデメリットです。

民間金融機関

資金調達の知識がない場合、最初に思い付くのが民間金融機関からの借り入れになるでしょう。

ただし、個人事業主や小規模企業の場合、信用力が低い状態では審査に通りにくいのが実情です。公的融資で実績を作り、ある程度事業が軌道に乗った段階でチャレンジする必要があります。

銀行融資の審査が厳しい場合は、ノンバンクが提供するビジネスローンを検討しましょう。金利は高くなるものの比較的審査基準が甘く、融資実行までの時間もそれほどかかりません。

制度融資

起業を検討している人や創業したばかりの会社なら、『制度融資』の利用もおすすめです。制度融資とは、金融機関・自治体・信用保証協会が三位一体となり、主に起業促進を目的として融資を行う制度を指します。

信用保証協会により信用力を補てんしてもらえる点や、自治体が利息の一部を負担する点が、制度融資の魅力です。民間金融機関の融資に比べ審査基準が緩く、自治体の基準をクリアすれば融資を受けられる可能性は高くなります。

長期間かつ低金利で借り入れを行えるのもメリットです。融資制度の内容は自治体ごとに異なるため、住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。

 

クラウドファンディング

クラウドファンディング

新しいタイプの資金調達方法として近年注目を集めている手法が、クラウドファンディングです。概要やメリット・リスクについて解説します。

クラウドファンディングの種類

『クラウドファンディング』とは、インターネットを利用して事業内容を広くアピールし、個人投資家などから資金を集める方法です。事業に共感を得られれば知名度を必要としないため、個人事業主や設立して間もない会社から人気を集めています。

クラウドファンディングの主な種類は、『寄付型』『購入型』『投資型』の三つです。利用者の目的や資金調達方法、出資者へのリターンの種類がそれぞれ異なります。

社会貢献を行うために資金を集める方法が寄付型です。原則として出資者へのリターンを必要としません。商品やサービスを対価として資金を得る購入型は、特定のイベントなどのパトロンを募集する際に利用されます。

主に株式を発行して資金調達を行う方法が投資型です。事業全般に必要な資金獲得を目的とし、利息や配当などで出資者にリターンします。

資金調達以外のメリットも

クラウドファンディングを行えば、広範囲からファン層を獲得できます。創業したばかりの個人や企業にとって、手早く知名度を上げられることは大きなメリットです。

事業内容に対する賛同を得て資金を得る仕組みであるため、事業自体の広報活動も兼ねられます。事業について広く知ってもらえば、資金調達以外でのメリットにもつながるでしょう。

マーケティング戦略の一環にできる点も魅力です。クラウドファンディングで世間の反応を見れば、事業が成功しそうかどうかを判断する目安の一つとなります。

資金が集まるとは限らないのがリスク

クラウドファンディングを検討する際は、リスクがある点にも注意する必要があります。最大のリスクは、思ったほど資金を集められないおそれがあることです。

事業の内容や将来性に魅力を感じてもらえなければ、十分な出資を受けられません。事業内容だけでなく、会社の知名度や信用力も少なからず影響を与えます。

すぐに十分な資金が集まるわけではないことも覚えておきましょう。金融機関からの借り入れに比べると、まとまったお金が集まるまでにはさらに長い期間を必要とするのが一般的です。

助成金・補助金の利用

助成金・補助金の利用

個人事業主や小規模企業の資金調達方法としては、助成金や補助金を活用するのもおすすめです。利用可能な制度の探し方やメリット・デメリットについて解説します。

助成金・補助金の探し方

助成金や補助金は、年間約3000種類に達するといわれています。自分に合った制度をより効率良く探す方法としては、助成金や補助金の検索に特化したウェブサイトの活用が有効です。

中小企業基盤整備機構の『J-Net21』や、経済産業省の『ミラサポplus』は、制度検索の定番サイトとして知られています。

地域の商工会議所や住んでいる自治体にも相談してみましょう。状況に合った制度を紹介してもらえるため、自分で探す時間や手間を省略できます。

J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

ミラサポplus 補助金・助成金 中小企業支援サイト|経済産業省 中小企業庁

メリット・デメリット

助成金や補助金には返済義務がありません。金融機関からの融資と異なり、負担なく資金調達できる点が大きなメリットです。

助成金は、条件さえ満たせば必ず受給できます。一方、予算や件数に制限がある補助金は、申し込み期限に間に合わなかったり審査に落ちたりした場合、支給を受けられません。

助成金や補助金に共通するデメリットとしては、資金調達までに時間を要する点が挙げられます。一般的には、支給要件に何らかの取り組みを実施することが定められており、取り組みが完了した後に支給されます。

 

まとめ

個人事業主や小規模会社でも比較的利用しやすい主な資金調達方法には、金融機関からの借り入れやクラウドファンディングがあります。助成金や補助金の活用もおすすめです。

資金調達方法のそれぞれにメリット・デメリットがあるため、活用を検討する前に仕組みやリスクを理解し、自分に合った方法を探してみましょう。

 

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