【確定申告・開業届】会計ソフトfreeeのメリットやデメリットを解説!
個人事業主や企業にとって日々発生する会計処理は業務の負担になります。クラウド会計ソフトfreeeを導入することで負担軽減や作業効率のUPになり、これまでよりも簡単に帳簿付けができるのでおすすめです。本記事では、クラウド会計ソフトfreeeの便利機能やメリット・デメリットについて紹介します。
※記事は2021年11月時点の情報になります。
サイト管理者の紹介
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表) 早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中! |
freee会計とは
freee会計とはインターネット上で処理をするクラウド型の会計ソフトです。経理作業がはじめてでも簡単に仕訳入力ができ、専門知識がなくても帳簿や経理処理がミスなくできる、個人事業主や企業向けのツールが揃っています。
2021年にMM総研が個人事業主を対象に行ったアンケートによると、30%弱がクラウド型の会計ソフトを利用して確定申告をしたと回答し、前年比では5%も上昇。
この背景には政府が「デジタル手続法」を掲げたことが要因のひとつと考えられます。インターネット経由で確定申告をすると紙ベースの申告と比べて、控除額が10万円増額される制度へと変更されました。
クラウド型は電子申告に非常に優れており、freeeは業界トップレベルの利用率を誇っている会計ソフトです。
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freeeを導入すべき4つの便利機能
会計ソフトには、パソコンにインストールして利用するものとクラウド型の2つのタイプがあります。利用率はインストール型がクラウド型を上回っていますが、デジタル化に向けた便利な機能がfreeeには備わっています。ここでは、freeeの便利機能について解説していきます。
e-taxで電子申請ができる
freeeのe-Taxによる電子申請で、これまでと同様の65万円の青色申告特別控除を受けられます。
今までは、青色申告をする全員が青色申告特別控除として65万円の控除を受けられました。しかし、平成30年度の税制改正により、令和2年度の申請分から紙ベースでの確定申告は控除額が55万円と減額。e-Taxによる電子申請又は電子帳簿保存をした場合にのみ、65万円の控除が受けられるようにと適用要件が追加されたのです。
freeeでは電子帳簿保存に加え、e-Taxによる電子申請も説明に沿って入力・選択するだけで必要書類を自動作成し、書類の提出までを完結できます。
freeeやその他のクラウド型会計ソフトを使うことにより、これまで行っていた必要書類の作成、書類の提出に掛かる手間を省けるほか、65万円の青色申告特別控除を受けられるということです。
各金融口座の情報が同期できる
freeeでは、銀行口座やクレジットカード、電子決済サービスとの連携が可能です。
同期することで利用明細を自動で取得してくれます。銀行口座への入出金やクレジットカードでの支払を反映できるため、これまで行っていた入力作業は必要ありません。
知識がなくても帳簿処理が簡単にできる
外部サービスとの連携された情報のほか、手入力の場合でも勘定科目を覚える必要はありません。紙ベースで帳簿付けをする際は、勘定科目の知識は必須です。しかし、確定申告するすべての人が、簿記や会計の知識を持っているわけではありません。
freeeでは、勘定科目はすべて選択式です。繰り返される取引はテンプレートとして登録も可能なため、ボタンひとつで勘定科目や金額の入力ができます。
専門知識がなくても、会計業務が作業効率を落とす原因とならないのがfreeeが便利と言われるポイントです。
領収書を画像で読み込んで帳簿処理できる
freeeには領収書などを画像で読み込み、自動で仕訳してくれるファイルボックス機能があります。画像は保存されるため、万が一、紙の領収書を紛失しても写しがあるので安心です。
読み込みから仕訳まで行ってくれるため、入力ミスを防ぎ、入力時間の大幅カットにも繋がります。
確定申告書の作成は質問に答えるだけ
確定申告は多くの必要書類を作成しなければいけません。freeeは「はい・いいえ」の質問に答えるだけで書類の作成が可能です。
はじめての確定申告でも、これまで入力した情報をまとめて作成してくれるため、計算をやり直したり提出書類を誤ったりすることもありません。
freeeを使うメリット
freeeには財政や法改正、データのバックアップなど、クラウド型の会計ソフトならではのメリットがあります。これまで手作業で行っていた業務を改善することで、負担軽減や業務効率のUPにもつながるでしょう。
税制や法令の改正に対応している
税制や法令は改正を繰り返しています。freeeは改正があるたびに自動でアップデートされているため、常に最新の情報で帳簿付けや会計処理が可能です。
インストール型の会計ソフトは、改正のたびに手動で更新する必要があります。手間もかかりますし、もし更新を忘れていたら変更点が反映されていない状態で会計作業を行ってしまい、誤ったデータを提出してしまう可能性もあります。
専門的な知識がなければ、何が変更されたのかも分からない場合もあるでしょう。改正について情報収集するのも、通常業務に支障をきたしてしまいます。
正確なデータを提出するには、最新の税制や法令へ自動アップデートしてくれるクラウド型の会計ソフトがおすすめです。
データがバックアップされている
これまで入力したデータはすべてクラウド上にバックアップされています。データがパソコンに保存されているわけではないため、いきなりパソコンが故障したり、データを消してしまったりしてもデータを復旧できます。
心配される安全性についても保存されているデータを暗号化、ログイン時にID・パスワードの入力が試行できる回数に制限を掛けるなど、不正アクセスやデータ盗難などに考慮された対策が施されているので安心です。
隙間時間で入力が可能
freeeは、これまで帳簿やパソコンの画面に向かって行っていた仕訳作業を、隙間時間で行えるのもメリットのひとつでしょう。クラウド型ソフトはパソコンやタブレット、スマホなどのデバイスとインターネットの環境があればどこでも入力が可能です。
移動中や待ち時間にスマホで領収書を画像に納めて、自動で仕訳。帳簿付けの漏れも防げて時間を有効利用できます。
freeeを使うデメリット
freeeにはメリットがある一方で、それに伴うデメリットもあります。ソフトを使う利用料やインターネットが無くては利用できないといった、クラウド型のソフトだからこそのデメリットがあるがため注意が必要です。
月額で費用が発生する
freeeのソフトは買い切りではありません。継続して利用し続けるには毎月利用料を支払う必要があります。
プランによって料金は異なり、スタータープランは980円(税抜)、スタンダードプランは1,980円(税抜)、プレミアムプランは3,316円(税抜)です。※2021年11月現在
毎月のランニングコストは発生してしまいますが、サブスクリプションのように料金を支払えば、プランに応じた機能は自由に使えます。
スタンダード、スタータープランについては機能が限定されてしまうため、どこまでをfreeeで行いたいかで選ぶプランは異なるでしょう。
インターネットの環境が必要
クラウド型のデメリットとして特有なのが、インターネットを使える環境が必要ということ。インターネットを通してデータを入力・保存しているため、インターネットの無い場所での利用は不可。あるいは、インターネットが何らかのトラブルを起こしているときは使えません。
また、freeeを利用している人が多い時間にはアクセスが集中し、動きが遅くなることも考えられます。少し時間をずらすことで解消はできますが、スムーズに利用できないのはストレスになるかもしれません。
freeeで確定申告するまでの5つのステップ
確定申告は、事業年度である1月~12月の所得と税金を計算し、管轄の税務署へ報告します。確定申告するには主に次の5つのステップで行っていきます。
必要書類の収集
経費として落としたものの領収書や支払調書、医療費控除の明細書など、確定申告する上で必要な書類やあると便利な書類を集めます。
領収書などは提出する必要はありませんが、法律上、確定申告を終えた後でも7年間の保管が義務付けられているため、大切に保管しておきましょう。
日々の帳簿付け
確定申告するうえで一番大変なのが領収書や売上など、日々の帳簿付けです。
確定申告をし続ける限り、毎日行わなければいけません。会計ソフトをうまく利用し、負担を軽減していきましょう。
申告書を作成する
申告書の作成は会計ソフトを利用すれば難しいものではありません。必要事項の入力や「はい・いいえ」の質問に答えていくだけで必要書類を作成できます。
申告書を提出する
freeeではe-Taxを使って管轄の税務署へ申告書を提出が可能です。郵送や税務署へ行く必要はありません。
納税をする(還付を受ける)
確定申告書の納税額をもとに納税します。所得税は3月15日までです。申告と同時に行うと忘れることはないでしょう。住民税と個人事業税は後日届く納付書の金額に従い、一括が分割の選択方式です。
もし、納税の必要がなく、納めた税金の支払過ぎによる返金がある場合は還付金を受けます。還付まではおおよそ1ヶ月~1ヶ月半の時間を要し、確定申告時に返金が行われるわけではありません。
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開業するならfreeeで簡単に
freeeでは必要事項を入力するだけで、開業に必要な書類が簡単に作成・提出できるサービスもあります。入力したデータは、確定申告時に必要な情報として引き継がれるのでこれから開業する方にはとても便利な機能です。
個人事業主が青色申告するには、開業届とあわせて「青色申告承認申請書」を事前に税務署へ提出している必要があります。。開業届の提出は、義務規定として提出が定められています。しかし罰則がないため、開業届を出さずに事業をしている人もいるでしょう。
開業届と青色申告承認申請書を提出していない場合は、白色申告で確定申告することとなります。次年度の確定申告まで待てば、白色申告から青色申告へ切り替えができますが、可能な限り開業届と一緒に青色申告承認申請書も提出することをおすすめします。
freeeでは開業から確定申告までサポートしてくれるサービスも充実しており、業務負担の改善や作業効率のUPも見込まれるでしょう。
まとめ
通常業務の他に、毎日の帳簿付けや確定申告に書類の作成から提出までをすべて自分で行うのは手間も時間も相当掛かります。
クラウド型の会計ソフトfreeeは、スキマ時間を上手く利用しながら日々の帳簿付けをしたり、自宅や事務所にいながら確定申告を完結できる便利なサービスです。
税制や法改正も常に最新状態にアップデートされ、記入漏れや提出書類の漏れなども防止できるため、クラウド型の会計ソフトを利用しながら、税務署の規定に沿った確定申告書の作成・提出を行っていきましょう。
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