家賃支援給付金 社宅の家賃は?

2020.08.03 , コロナ関連

家賃支援給付金 社宅はどうなる?

皆様こんにちは。
今回は家賃支援給付金に関してお問い合わせの多い「社宅の家賃は給付対象?」をテーマにお伝えいたします。

当初は社宅は原則対象外とされていた!?

社宅の家賃が家賃支援給付金の支給対象に含まれるのかに関しては実施要項に明文がなく、取り扱いは曖昧な状況でした。この点について明らかにすべく私どもでも7月前半に家賃支援給付金コールセンターに問い合わせを行い、その結果得ました回答は次のようなものでした。

「社宅の居住者である役員や従業員からたとえ一部でも社宅賃料を徴収している場合には転貸に該当します。したがって給付の対象外になります。徴収せず無料で居住させている場合には対象になりえます」


つまり社宅について、会社が大家さんから借り受けていたとしても、役員もしくは従業員から1円でも徴収していた場合には、会社がその役員もしくは従業員に又貸し(転貸)する形になるので、家賃支援給付金の支給対象にはならない。これが当初の回答でした。

現在の見解は?

その後、経済産業省より「家賃支援給付金に関するよくあるお問合せ」としてQ&Aが公表されました。
それによると社宅家賃に関しては次のように書かれています。

Q  社員寮・社宅については給付の対象となるのか?
A   法人が社宅・寮に用いる物件を賃貸借契約等に基づいて借り上げて従業員を住まわせ、
       当該物件の賃料を当該法人の確定申告等で地代・家賃として計上しているのであれば、
       原則として給付対象となります。
他方、賃貸借契約に基づいて従業員に転貸している場合対象外となります。


ご参考URL

経済産業省「家賃支援給付金に関するよくあるお問合せ」
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/qa.html

実際のところ社宅は給付対象?

結論から申しますと、会社が大家さんと契約しているのであれば社宅の家賃も給付の対象と考えて問題ないでしょう。
上記の「家賃支援給付金に関するよくあるお問合せ」における転貸は、会社が大家さんから賃貸借契約に基づいて借り受けたものを、ほぼそれに近い賃料で別途従業員と賃貸借契約を締結して又貸ししているようなケースを想定しているものとお考えいただければと思います。
ただし、大家さんと契約しているのが会社と異なる名義(従業員など)である場合には給付の対象とはなりませんので注意が必要です。

社宅を用いた節税スキーム

役員もしくは従業員の住居を社宅という扱いとするのは税法上も認められた節税スキームです。この節税のポイントは次の通りです。

① 会社名義で賃貸借契約を締結する(ここでもやはり会社名義であることが必要です)
② 会社が家賃の支払いを行う(支払った家賃は会社の損金に算入されます)
③ 家賃のうち一定金額を役員もしくは従業員から徴収する(これをしないと給与と見做されます)


これにより役員もしくは従業員の給与の額は上記の③の分だけ減りますので、社会保険料や所得税、住民税の負担も減り、会社と役員・従業員をトータルした全体の税負担額も減少し、節税効果が見込めるというわけです。

役員や従業員から徴収していても給付対象になる?

上のスキームにおいて気になるのは、③で役員もしくは従業員から家賃のうち一定金額を徴収していることにより、これが転貸と扱われるか否かというところでしょう。7月前半の段階ではコールセンターの回答でも転貸に該当するとのことでしたので。

繰り返しになりますが、「家賃支援給付金に関するよくあるお問合せ」では、「法人が社宅・寮に用いる物件を賃貸借契約等に基づいて借り上げて従業員を住まわせ、当該物件の賃料を当該法人の確定申告等で地代・家賃として計上しているのであれば、原則として給付対象としています。つまり上のスキームの①と②でこの要件は満たされることになります。

一方で「賃貸借契約に基づいて従業員に転貸している場合対象外」としていますが、ここに③は含まれないとみてよいでしょう。
役員もしくは従業員が社宅に入居する場合に通常締結するのは賃貸借契約書ではなく社宅使用契約書です。社宅使用契約の場合は借地借家法の適用はなく、退社時には退去が必要となるなど雇用契約と不可分の関係にありますので、法的にも賃貸借契約とは別物と考えられます。
それゆえ賃貸借契約に基づく転貸にはあたらないと考えられるのです。

まとめ

運用開始から間もない状態で、社宅に関しての取り扱いについてはつめきれていない感は否めないですし、コールセンターも含めて混乱している中で不明確な状況にあったといえます。
こうした状況ですが、社宅についても家賃の給付申請を行うことで、何らかの指摘を受けるのでは?と心配される方もいらっしゃるかもしれません。
しかしながら会社名義で大家さんと賃貸借契約を締結し、家賃を会社で負担している限りにおいては「原則として給付対象」としている以上、ここで不正を疑われる可能性はありませんので過度な心配は不要と思われます。

念のために直接ご自身で確認されたい方のために、家賃支援給付金コールセンターのお問合せ先も記載しておきます。

家賃支援給付金コールセンター
0120‐653‐930(平日・土日祝日8:30-19:00)

※今回のブログに記載した見解はあくまで当方の私見となります。本ブログをご参照いただき家賃支援給付金の申請を行うことによって生じる結果について公認会計士税理士甲田拓也事務所および株式会社クラウドソリューションはいかなる責任も負いかねますのでその点はご承知おきください。

【ブログの内容に関するお問合せについて】
最近私どものブログに大変多くの反響をいただいております。弊所ではブログに関するお問合せについてもメールやお電話での無料相談を承っておりますが、現在こちらについては顧問契約前提のお客様に限定させていただいておりますなにとぞご了承のほどお願い申し上げます。

▼▼▼お読みくださりありがとうございました。よろしければクリックをお願いいたします。
にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へにほんブログ村 士業ブログ 税理士へ

TOPに戻る
お問い合わせ 電話する