法人はエアコン代を経費に計上して節税を。勘定科目についても税理士が解説|個人事業主も要チェック!

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法人はエアコン代を経費に計上して節税を。勘定科目についても税理士が解説|個人事業主も要チェック!

事務所にエアコンを導入する場合、どこまで経費にできるのか気になる人もいるでしょう。エアコン代を経費にする方法を理解していれば、特例などの利用で節税につなげることが可能です。法人がエアコン代を経費にして節税する方法を紹介します。

※記事は2021年9月現在の情報になります。

甲田拓也
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甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!

 

法人のエアコン代は経費にできる?

法人のエアコン代は経費にできる?

会社や自宅に設置しているエアコン代について、会計処理の基本的な考え方を解説します。消費税の取り扱いによる経理処理の違いも確認しておきましょう。

エアコン代は経費として計上可能

事務所に設置しているエアコンの費用は、全額を経費として計上できます。エアコンは暑さや寒さから身を守るために必須の設備であり、エアコンがなければ仕事に支障をきたすとみなされるためです。

エアコン本体の購入費用をはじめ、工事費・修理代・クリーニング代も経費で落とせます。エアコンを稼働させるための電気代は、水道光熱費として処理します。

福利厚生として社宅を導入している場合は、社宅に設置しているエアコンの費用も計上可能です。ただし、社宅の電気代は事業とは関係がないプライベートの支出のため、社員本人が支払わなければならず、個人支出となります。役員の社宅のエアコン代や電気代も同様の扱いです。

自宅で仕事をしている場合は?

法人経営者が自宅でも仕事をする場合や、自宅に応接室がある場合は、自宅の仕事部屋や応接室のエアコン代も損金化できます。

賃貸物件の自宅を会社名義で契約している場合は、部屋を社長に貸しているという形で事務所兼社宅扱いにすることが可能です。この場合もエアコン本体の代金などを経費として処理できます。ただし電気代については、原則、仕事で使う部分のみが経費の対象です。

消費税はどうなる?

開業2年目までの法人や消費税の免税事業者は、収入・支出の全てを税込経理で行う必要があります。エアコン代も税込価格で扱わなければなりません。上記以外の法人は、経理処理の採用方式に合わせて、エアコン代の税抜・税込が決まります。

消費税の扱いが経理処理に影響を与える場面は、主にエアコン代が10万円前後または30万円前後になっているケースです。10万円未満なら消耗品費として一括で処理できますが、10万円以上なら資産計上し、減価償却を行う扱いとなり数年かけて処理しなければなりません。

また、一定の要件を満たす法人や個人事業主は、エアコン代が30万円未満なら特例により全額を一括で費用として計上できます。

エアコンの設置価格には、本体価格以外に設置工事費用などが含まれることも覚えておきましょう。消耗品費として処理したい場合は、エアコン本体の税込価格・設置工事費を合わせて10万円未満におさえる必要があるのです。

エアコン代の基本の勘定科目とは

エアコン代の基本の勘定科目とは

エアコン代の勘定科目は、エアコンの購入価格により異なります。基本となる消耗品費と減価償却費について解説します。

消耗品費

エアコン代の経理処理を考える場合、まずは10万円を最初の目安とします。エアコン代と設置費用が1機あたり10万円未満なら、勘定科目は『消耗品費』です。購入した年に全額を一括で経費計上します。

エアコン代が10万円以上の場合は、『備品』などの勘定科目で資産として会計処理し、減価償却を行うのが基本です。ただし、10万円以上20万円未満なら、『一括償却資産』の勘定科目で簡易処理できます。

一括償却資産の処理方法なら、耐用年数にかかわらず、3年間の均等償却で経費処理できます。償却資産税の申告対象資産にならないことも、一括償却資産のメリットです。

減価償却費

取得価額10万円以上かつ使用期間が1年以上の資産は、複数年にわたり経費として計上する必要があります。この会計手続きが『減価償却』です。減価償却により計上する費用を減価償却費といいます。

エアコン代が10万円以上の場合、基本的な会計処理は資産計上して減価償却をすることになります。減価償却期間は、一般的なエアコンなら6年、ダクト配管され広範囲をカバーできるエアコンは13年または15年となります。

償却期間が6年の場合、勘定科目は『備品』や『器具・備品』とするのが一般的です。償却期間が13年または15年の場合は、勘定科目を『建物附属設備』とします。

エアコン代が10万円以上20万円未満なら、前述のとおり一括償却資産として処理できます。耐用年数にかかわらず『3年』で減価償却できるため、通常の減価償却よりも1年あたりの節税効果が大きくなります。

経費にできるエアコン代

経費にできるエアコン代

エアコンに関する費用なら、エアコン本体価格以外も経費にできます。経費計上が可能な主な費用と、それぞれの勘定科目を確認しておきましょう。

設置工事費用

業者に依頼してエアコンを新しく設置する際は、エアコン本体とは別に工事の費用も発生します。エアコン代を会計処理するときには、本体価格と工事費用の合計を経費とするのが一般的です。

ただし、設置工事費用を合計すると減価償却が必要となる場合は、工事費を別に経費化することもできなくはありません。『修繕費』などの科目で処理ができる場合もあります。

税込にすると減価償却しなければならないケースも同様です。税抜価格として扱うことで一括計上できるなら、経理処理の全体を税抜方式に変更する方法があります。

ただし自己判断は禁物です。心配な人は税理士などの専門家に相談するのがおすすめです。

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修理代・クリーニング代

エアコンが故障した際の修理代や、エアコン内部が汚れてきた際のクリーニング代は、一般的に勘定科目を『修繕費』として経費計上します。

修繕費とは、資産の価値を回復、維持するための費用を処理する科目です。資産価値を高めるような作業費には、修繕費を使えないことに注意しましょう。

クリーニング代に関しては、修繕費以外に『衛生管理費』『雑費』『外注費』などが使えます。衛生管理費は、清掃費全般に使える便利な勘定科目です。

エアコン代で節税するコツとは

エアコン代で節税するコツとは

法人が設置するエアコンの費用に関し、節税につなげるポイントを紹介します。以下に挙げるコツを押さえ、できる範囲で実践してみましょう。

エアコンをリースにする

業務用エアコンはリースで導入することが可能です。エアコンをリースにすれば、まとまったお金がなくても、新品のエアコンを導入できます。

リースで利用しているエアコンは、保有者がリース会社になります。会社の資産として扱う必要がなく、リース料を全て必要経費にできるのがメリットです。固定資産税もかかりません。

また、リースは借入ではないため、金融機関の借入枠に影響を与えずに済みます。取付工事費などの費用をリース料に組み込める点も魅力的です。

少額減価償却資産の特例を活用

青色申告の個人事業主や中小企業者なら、エアコン代が30万円未満の場合に『少額減価償却資産の特例』を利用できます。

この特例では、通常は減価償却が必要となる費用を、当期に一括で経費とすることが可能です。年間合計300万円の範囲内であれば何度でも利用できます。

エアコン代が10万円以上20万円未満の場合は、少額減価償却資産と一括償却資産のどちらでも処理できることになります。通常の減価償却処理も含めて、状況に適した処理方法を選ぶ必要があるでしょう。

なお、少額減価償却資産としての処理をした場合は償却資産税の対象となりますが、一括償却資産として処理をした場合は償却資産税の対象ではない点も処理方法の選択の際は考慮しましょう。

No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例|国税庁

 

付随費用はすぐに経費へ

エアコンを設置すると、本体費用以外に工事費や運送費などさまざまな費用が発生します。資産の取得時に関連して発生する費用を『付随費用』といいます。

減価償却資産を取得した際は、原則として付随費用も減価償却資産の中に含めなければなりません。

ただし、付随費用の中には、税法上、減価償却資産の取得価額に含めなくてもよいものがあります。そのようなものに関しては、減価償却資産の中に含めず、経費計上することで節税につなげられます。

まとめ

法人のエアコン代は経費としての処理が可能です。エアコン代が10万円(※)未満なら消耗品費、10万円以上なら減価償却費として計上します。

(※特例を使えば30万円)

本体価格だけでなく、設置工事費用・修理代・クリーニング代も経費にできます。少額減価償却資産の特例を活用するなど、節税につながるポイントも押さえておきましょう。

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