創業融資はいつまで受けられる?申し込みに適したタイミングと返済期間

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創業融資はいつまで受けられる?申し込みに適したタイミングと返済期間

日本政策金融公庫で提供されている創業融資は、起業・開業時の資金調達の手段としてよく選ばれる方法です。

 

ただ、実際に利用するとなるといつまでに申し込めば良い?」「いつまで利用できる?」など、さまざまな疑問が生じるものです。

 

適切なタイミングで借り入れをして事業運営を円滑にするためにも、返済に遅れて信用を失わないためにも、創業融資を受けるタイミングやいつまで利用できるかは事前に把握しておきましょう。

 

本記事では創業融資制度の概要や、いつまでに申し込めば良いのか、いつまで借入れができるかなどについて解説します。

創業融資制度とは?

創業融資制度は、法人や個人の事業主が新しくビジネスを始める際に利用できる融資です。

 

創業前後は事業運営に必要な事務所を構えたり備品を購入したりといった準備のため、まとまった資金が必要になります。

 

ただ、事業の実績がない段階では民間の金融機関のプロパー融資を受けることは難しいのが実情です。

開業に必要な費用を自己資金で賄えない場合にはどこからか融資を受ける必要がありますが、そこで頼りになるのが創業融資制度です。

 

ビジネスをしている方を対象に日本政策金融公庫などが提供する創業融資なら、実績が少なくても融資を受けやすくなっています。

 

なお、地方自治体や民間の金融機関でも創業融資や制度融資などの似た融資がありますが、今回は日本政策金融公庫の制度融資に絞って解説しています。

 

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創業融資制度で知っておきたい手続き上の「いつまで」について

創業融資制度のことを初めて知って「いつまで利用できる」「いつまでに申し込めば良い?」などさまざまな疑問を感じる方もいるでしょう。

 

ここでは、創業融資制度を利用しようと思った方が実際に疑問に感じやすい、さまざまな「いつまで」の疑問を紹介していきます。

 

なお、詳しくは後述しますが、過去にあった「新創業融資」は制度が終了しており、現在は「新規開業資金」などを利用して創業用の資金を集めることになります。

 

創業融資制度の「事業開始後おおむね7年以内」とは

創業融資制度の1つ「新規開業資金」の場合、利用できる方の条件が以下の通り設定されています。

新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方

 

「事業開始」とは、創業・開業から7年という意味で、「会社を設立した日から7年」ということではありません。

 

まず、個人事業主の場合、開業届を出して事業を開始したタイミングからおおむね7年以内に新規開業資金に申し込めます。

 

では、個人事業主から法人成りした場合はどうでしょうか。

 

例えば個人事業主として開業して丸3年が経過してから法人成りしたとしましょう。新規開業資金の要件は「事業開始から7年以内」なので、法人成りしたタイミングからだと4年以内に申し込みが必要ということになります。

 

法人成りしてから7年以内と思ってゆっくり構えていると創業融資を受けられなくなる可能性があるので注意が必要です。

 

創業融資制度はいつまでに申し込めば良い?創業2~3か月前から3か月以内が目安

創業融資制度の融資を利用する場合、いつまでに申し込むのがベストなのでしょうか。

 

結論からいうと、一般論として「創業2~3か月前から創業後3か月以内」が良いとされます。

 

理由としては、新規開業資金の要件の詳細に、以下のような文言があるためです。

 

「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限ります。

引用元:日本政策金融公庫|新規開業資金

 

上記の基準を満たしているかを確認するために提出された創業計画書などが確認されることになります。

 

創業後しばらくすると実際の実績が審査対象になることがあり、実績次第では評価が不利になることもあります。将来性だけで評価してもらえる「創業2~3か月前」「創業後3か月」以内が審査通過のためには有利といえます。

 

また、事業開始2~3か月前に審査を完了させておくことで、審査に時間がかかって事業開始までに融資が受けられないリスクも防ぐことができます。

 

入金までの期間は人によっても異なりますが、新規開業資金ではおおむね「申し込み手続きが完了してから1か月~1か月半程度」を見越しておくと良いでしょう。

 

創業融資の返済期間はいつまで?

日本政策金融公庫の返済期間は創業融資の種類によって異なりますが、例えば新規開業資金では以下のとおりです。

 

設備資金 運転資金
返済期間 20年以内 10年以内
うち据置期間 5年以内 5年以内

 

据置期間とは、元本の返済がなく、利息だけを返済する期間のことです。元金が減らないので完済まで近づくことはできませんが、元金分の支払いがないことで資金に余裕がない創業後しばらくの毎月の返済額を抑えられます。

 

創業融資のうち「新創業融資制度」はいつまで?⇒2024年3月で廃止済み

日本政策金融公庫の創業融資制度のなかで、多くの方が活用していた制度に「新創業融資制度」があります。

 

事業開始から2期未満の方を対象とした融資制度で、担保及び保証人が不要という点に特徴があります。

 

担保や保証人が不要で、かつ融資の実行までのスピードがほかの融資制度より比較的早い1か月半程度で受けられるメリットもありましたが現在では廃止されています。

 

それに伴い、開業・創業時は「新規開業資金」での融資を受けることになります。

 

新創業融資制度の廃止に伴い、新規開業資金では以下のような制度変更がおこなわれています。

 

・無担保・無保証人でも融資が可能になった

・返済期間が延長された

・自己資金の要件が不要に

 

新規開業資金の返済期間は「設備資金」と「運転資金」で異なります。設備資金は従来なら20年以内(うち据置期間2年以内)、運転資金なら7年以内(うち据置期間2年以内)でした。

 

現在は設備資金が20年(うち据置期間5年以内)、運転資金は10年(うち据置期間5年以内)になっています。

 

また。従来の新規開業資金にあった「創業資金総額の1/10以上」という自己資金の要件が撤廃されています。

 

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創業融資制度を利用する前に知っておきたい注意点

ここからは、創業融資制度を利用する前に知っておきたい注意点を紹介します。創業融資の審査は甘いものではなく、注意点を知らないままむやみに申し込むと希望するタイミングで希望する金額を借りられないことがあります。

 

具体的な注意点として、以下の2点を解説します。

・審査に落ちてもすぐ再審査はできない

・自己資金が少ないと融資額が引き下げられることがある

 

審査に落ちてもすぐ再審査はできない

創業融資制度には審査があり、日本政策金融公庫の審査で「返済能力」や「信用」があると判断されないと審査を通過して契約することはできません。

 

仮に審査に落ちてしまった場合、その場ですぐに再申し込みができないことは理解しておきましょう。半年以上を空けないと再申請はできないため、審査に落ちたタイミング次第では申し込みできる条件から外れてしまう可能性もあります。

 

1回目で融資を受けられるように、入念に準備をしておきましょう。少なくとも書類のミスなどで評価を下げないよう、準備できる部分は徹底的にしておくことが大切です。

 

自己資金が少ないと融資額が引き下げられることがある

日本政策金融公庫の創業融資は、自己資金が少ないと融資額が引き下げられるといわれています。

 

ただ、明確に「自己資金が●万円以下の場合には融資額が●万円に引き下げられる」と決まってはいません。とはいえ、自己資金がないばかりに希望額を借りられないのは避けたいところでしょう。

 

基準が分からないため、大きな金額で借りたい人は「できるだけ多くの自己資金を用意しておく」ことを意識して準備を進めましょう。

 

まとめ

日本政策金融公庫の創業融資を利用できるのは、新規開業資金制度なら「新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方」です。

 

創業融資に申し込むベストなタイミングは、人や法人ごとに異なりますが、一般的には創業の2~3か月前が有利とされます。審査を有利に進めやすいことや、事業を進める際にもメリットがあるためです。

 

ベストなタイミングで申し込みができるように、審査にかかる時間なども加味して逆算したうえで準備を進めていきましょう。

 

監修者

甲田拓也
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!
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