創業融資制度の金利相場は?低金利で利用するコツや利息の計算方法を解説

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創業融資制度の金利相場は?低金利で利用するコツや利息の計算方法を解説

創業融資は、個人事業主や法人が事業を立ち上げる際の資金を調達するための方法です。

日本政策金融公庫をはじめとしたさまざまな金融機関や貸金業者が創業者向けの融資・ローンを提供していますが、金利や融資限度額などの条件は商品ごとに異なります。

 

特に金利は金融機関や商品ごとに全く異なるため、少しでも毎月の返済額を安く抑えるなら融資・ローンごとの金利相場を知ることが大切です。

 

本記事では、日本政策金融公庫やそのほかの金融機関について、創業融資・ローンに関する金利相場や金利に影響する内容、低金利で借りるためのコツ・ポイントなどを紹介します。

【日本政策金融公庫】創業時に利用できる新規開業資金の金利の相場

創業融資として知名度が高いのが、日本政策金融公庫の融資です。

 

さまざまな融資の取扱いがありますが、現在のラインナップでは「新規開業資金」が創業融資にあたります。

 

新規開業資金は、日本政策金融公庫が、事業の創業やスタートアップを応援する融資制度です。

 

事業を新しく始める方、又は事業開始後おおむね7年以内の方が対象で、7,200万円(うち運転資金4,800万円)まで融資を利用できます。

 

新規開業資金の金利設定は以下のとおりです。

 

申込者の特徴(抜粋) 金利(実質年率)
女性の方、35歳未満または55歳以上の方 特別利率A

年1.90~3.10%(※)

創業塾や創業セミナーなどを受けて新たに事業を始める方 特別利率A

年1.90~3.10%(※)

※女性または35歳未満は特別利率B

年1.65~2.85%(※)

Uターンなどにより地方で新たに事業を始める方 特別利率A

年1.90~3.10%(※)

※過疎地域で新たに事業を始める方は特別利率B

年1.65~2.85%(※)

デジタル田園都市国家構想交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方 特別利率B

年1.65~2.85%(※)

デジタル田園都市国家構想交付金を活用した起業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方 特別利率C

年1.40~2.60%(※)

技術・ノウハウなどに新規性がみられる方 特別利率A・B・C

年1.40~3.10%(※)

※金利は2024年11月現在のものです。

※表示されている金利は「税務申告を2期終えている方」向けの金利です。税務申告を2期終えていない方の金利は上限・下限共に0.1%が上乗せされます。

 

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日本政策金融公庫だけじゃない!創業時に利用できる制度の金利相場

創業融資を扱っているのは、日本政策金融公庫だけではありません。以下のような金融機関でもさまざまな創業融資やビジネスローンを提供しています。

・地方自治体の制度融資

・信用金庫や信用組合の融資

・銀行のプロパー融資

・ノンバンクのビジネスローン

ここからは、それぞれの融資・ローンの特徴や金利相場について紹介します。

地方自治体の制度融資

制度融資は、地方自治体、金融機関、信用保証協会が連携して実施する融資のことです。

 

民間金融機関から融資を受けにくい創業者であっても、公的機関の保証を受けることで融資を受けられる可能性があります、

 

自治体によって金利設定はさまざまではありますが、創業融資では「年2.0%」前後の金利が設定される傾向にあります。

信用金庫や信用組合の融資

信用金庫や信用組合でも、銀行などと同様の融資を実施しています。銀行の融資を比較して、事業実績が少ない創業者でも利用しやすい傾向にあるとされています。

 

信用金庫や信用組合の商品ごとに金利は異なるものの、年2~3%程度が相場とされています。

 

銀行のプロパー融資

プロパー融資は、信用保証協会の保証がなく、銀行が自らリスクを負うことで行う融資のことです。金利相場は年1.0~3.0%前後とされており、ノンバンクのビジネスローンと比較して低い金利が設定されます。

 

また、制度融資など信用保証協会が絡まないことから保証料の支払いが必要なく、民間の融資としては特に低い金利が適用される可能性が高いです。

 

ノンバンクのビジネスローン

ノンバンクとは「消費者金融」など、預金業務をおこなっておらず、お金を貸す与信業務に特化しているのが特徴の金融機関のことです。

 

銀行や日本政策金融公庫と比較して融資までのスピードに優れています。プロパー融資や新規開業資金などは申し込みから借入までに1か月以上の期間が必要なこともあるなか、ビジネスローンは数日で融資を受けることも可能です。

 

ただし、融資がスピーディな分だけ、ほかの融資と比較して金利が高く設定されています。ノンバンクごとに設定は大きく異なりますが、1.5~14.0%程度が相場といえるでしょう。

 

【要注意】日本政策金融公庫の「新創業融資」は利用できない

2024年4月1日以降に日本政策金融公庫に申し込む場合、かつてあった新創業融資は利用できない点に注意が必要です。

 

事業開始から2期未満の方(税務申告2期未満)を対象として、担保・保証人が不要となる融資として利用されていましたが、2024年3月31日をもって取扱いを終了しています。

 

現在では新創業融資制度の適用がなくても、無担保・無保証人で各融資制度を利用できます。

 

創業融資の金利決定に関する要素

金融機関や消費者金融の金利はさまざまな要素によって変動します。金融機関によっても設定が異なりますが、そのほかに以下のような要素でも金利が変動する可能性があります。

・担保の有無

・借入の時期

・返済期間

・貸し倒れのリスク

・金融機関が得る利益

 

ここでは、創業融資の金利設定に影響する要素の概要について解説します。

 

担保の有無

創業融資には大きくわけて「無担保」と「有担保」があり、金利は担保の種類や価値に応じて決定されます。金融機関は、担保があれば万が一の返済遅れのときのリスクが低くなるため、無担保と比較して低い金利が設定される傾向にあります。

 

金利を引き下げるなら担保を差し出すのが有効ですが、もしも返済できない場合は担保を失うことになる点には注意しましょう。

 

借入の時期

借入時期によっても、適用される金利は変動する可能性があります。

 

中央銀行の政策金利や債券価格、季節性など、国内の経済状況によって金利は変動します。

 

例えば好景気のときは金融機関から企業への融資を抑制するなどの目的で金利が高く設定され、反対に不景気の際は金利が低くなることで銀行から企業への融資が促されます。

 

ただ、金利が引き下がるまで待っているとビジネスチャンスを逃す可能性もあるので、債務者ができることは多くありません。

 

時期による要因は参考程度に考えておきましょう。

返済期間

金利は、借入期間が長いほど高い数値が設定される傾向にあります。融資の期間が長いということは、金融機関からしてみれば長期的なリスクを負うことになるためです。

 

ただ、返済期間を短くし過ぎると金利は低くなる一方で毎月の返済金額は高くなります。返済能力を考慮したうえで、金利と返済額のバランスを取ることを心がけましょう。

 

貸し倒れのリスク

事業者の貸し倒れリスクが高いと判断された場合、銀行のリスクをカバーする意味で高い金利が設定されることがあります。

 

貸し倒れのリスクは企業の信用度や返済能力から総合的に判断されることになります。

 

過去の信用情報に傷(事故情報など)がない、事業が好調で安定した利益を出していると評価されれば、低い金利が設定される可能性もあるでしょう。

 

創業融資を低金利で借りる際のコツ・ポイント

創業融資の金利は前述の要素などを条件に変更されますが、申込側の対策で低金利にできる可能性もあります。金利を引き下げる方法として代表的なものが以下の3つです。

・創業計画書を徹底的に作り込む

・担保を用意する

・業績が良好な状態で申し込む

 

ここでは創業融資の金利を引き下げるためのコツ・ポイントとして以下の3つをご紹介します。

創業計画書を徹底的に作り込む

創業融資に申し込む際に金融機関に提出する「創業計画書」の出来栄えは、融資開始時の金利設定に大きな影響を与える可能性があります。

 

創業して間もない法人や個人事業主は確定申告書などの書類で実績を表すことが難しいですが、創業計画書に記載された将来の収益の見込などが返済能力を見極める材料になる可能性があります。

 

創業計画書を裏付けるデータや予測などを使って説明することで金融機関の信用度が増し、融資の際の金利設定にも良い影響を与える可能性があるでしょう。

 

融資を実行してもらうため、また適用金利を少しでも引き下げてもらう可能性を高めるためにも、創業計画書は念入りに作成しましょう。

担保を用意する

できるかぎり適用金利を低く抑えたい場合、可能であれば金融機関が担保にできる不動産などを用意するようにしましょう。

 

有担保なら債務者が返済不能になっても、金融機関が担保を売却することで損失をカバーできます。金利が低く設定される傾向にあるのは、高金利にしなくても損失をカバーできるためです。

 

所有していて有効活用できていない不動産があれば、担保にすることも検討すると良いでしょう。

業績が良好な状態で申し込む

創業融資は法人や個人事業主の業績も審査の判断基準になる可能性があります。融資に申し込むタイミングを、業績が良いタイミングにすることも検討しましょう。

 

例えば日本政策金融公庫で利用できる「新規開業資金」に関して、「新たに事業を始める方」のほか「事業開始後おおむね7年以内の方」も融資対象に含まれます。

 

融資が可能な期間内に申し込むことは大前提ではありますが、そのなかでも良い業績を見込める時期があれば、そのときに融資に申し込むことで審査通過の可能性を高めることができるでしょう。

 

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まとめ

金利の相場については金融機関や消費者金融ごとに違いがありますが、なかでも日本政策金融公庫や銀行のプロパー融資などが低金利になっています。

 

ただし、金融機関や商品ごとに審査基準が異なり、審査を通らない可能性があります。また低金利だけを重視すると保証人が必要だったり融資実行までに時間を要したりと、思わぬデメリットに直面することもあります。

 

金利相場の比較はもちろんですが、そのほかの条件まで加味したうえで申し込む融資・ローンを決定しましょう。

監修者

甲田拓也
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!
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