税務顧問のメリット・デメリットは?顧問税理士と契約することの魅力と注意点
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「セカンドオピニオン」と聞くと、病気になったときに今までと違う医師に診てもらうことをイメージする人が多いでしょう。実は、税理士も同じで、セカンドオピニオンサービスを提供している税理士事務所があります。
経営上の判断材料や選択肢を増やすうえでさまざまなメリットがあるため、経営者の方は活用を検討することをおすすめします。
本記事では税理士のセカンドオピニオンの概要やサービス内容、メリット、費用の目安などを解説します。
税理士の「セカンドオピニオン」とは?

税理士のセカンドオピニオンとは、顧問税理士以外の税理士に、第三者の意見を求めることを指します。
医療の世界では主治医以外の医師を受診することをセカンドオピニオンと呼びますが、税理士も同様のサービスを展開していることがあります。
会社の経営や事業承継などの専門的な内容について、2人の専門家によるダブルチェックを受けることが可能です。
また、会社によってはM&Aなど、今までとは全く違う試練に立ち向かわなくてはいけないこともあります。新しい局面に直面すると、ときには顧問税理士が対応できないケースもあるでしょう。
ほかにも、そもそも現在の顧問税理士の力量に疑いを持っている経営者もいるでしょう。
「今の顧問税理士は当たり前の話以外してくれない」「相談したい内容があるが、今の税理士に『詳しくない』といわれて困っている」
このような悩みがあるなら、セカンドオピニオンが突破口になる可能性があります。
税理士のセカンドオピニオンの主なサービス内容

税理士のセカンドオピニオンには以下のようなサービスがあり、経営者がさまざまな場面で利用することができます。
- 税務申告書のダブルチェック
- 株式評価のダブルチェック
- ファイナンス相談
ここからは、サービス内容について詳細を解説します。
税務申告書のダブルチェック
セカンドオピニオンを利用することで、税務申告書について複数の専門家の意見を聞くことができます。
税務申告は会社の重要な業務ですが、人がおこなう以上、ミスはありえます。
ダブルチェックを依頼することで、より正確な申告書や決算書の作成が可能です。
株式評価のダブルチェック
税理士のセカンドオピニオンでは、株式評価のダブルチェックにも対応しています。
株式評価とは、会社の価値を株価に直して計算するもので、1株あたりの株価を「株価算定書」で表します。
株式評価はいくつもの評価方法が存在するため、目的の企業の実態によって評価することが求められます。
顧問税理士が行った株式評価の根拠やプロセスが正しいのかを客観的に評価してもらう目的で、セカンドオピニオンを利用することが可能です。
ファイナンス相談
ファイナンスとは、企業の資金繰りなど、お金についての問題を指します。
企業活動では新規の資金調達だけでなく、有利子負債の比率が高い場合に既存の借入金を借り換えることが必要になるケースもあります。
顧問税理士に加えてセカンドオピニオンを利用すれば金融関係に強く金融機関との交渉が上手な税理士のアドバイスを聞くことができ、より効果的に資金繰りを改善できる可能性があります。
セカンドオピニオンのメリット

セカンドオピニオンにはさまざまなメリットがありますが、主に考えられるのは以下の3つです。
- より専門性の高い意見が聞ける
- 判断材料が増える
- 自社に合う税理士を見つけるきっかけになる
- 顧問税理士の判断の裏付けになる
ここからは、それぞれのメリットの詳細を解説します。
より専門性の高い意見が聞ける
税理士は税務に関する専門家ですが、すべての税務に同じくらいの専門知識を持っているわけではありません。
企業が抱える課題のなかには、顧問税理士だけでは対処が難しい問題もあります。
例えばM&Aや事業承継などは複雑で普段の企業活動とは異なるものであるため、それらに特化した税理士でないと対応できない可能性があります。
顧問契約している税理士が詳しくない話題でも、セカンドオピニオンを利用することで専門的なアドバイスを聞けるでしょう。
判断材料が増える
2つの相談先ができることで、経営の判断材料が増えることもメリットです。
顧問税理士とは長年の付き合いをしている企業が多いですが、説明やアドバイスに納得できないケースがあるかもしれません。
顧問税理士は顧問先の利益を守ることが仕事であるため、会社を成長させるためにリスクを取りたい経営者とは意見が合わないこともあります。
セカンドオピニオンの税理士からのアドバイスをしてもらうことでリスクを取るか否かを決める際の判断材料が増え、意思決定をする選択肢を増やすことができます。
自社に合う税理士を見つけるきっかけになる
顧問税理士に不満があり、新しい税理士と顧問契約をし直したいと考えている場合、セカンドオピニオンが良いきっかけになることがあります。
ほかの税理士の話を聞いてみると、なかには自社の業界に詳しい税理士に出会えることがあるかもしれません。
一方、今の顧問税理士が最良の選択肢と思い直すこともあるでしょう。それぞれを比較することで税理士を選ぶ判断材料になるでしょう。
顧問税理士の判断の裏付けになる
顧問税理士の判断やアドバイスの裏付けとして利用できることもメリットです。
セカンドオピニオンは顧問ではないため、客観的な立場からアドバイスをしてくれます。冷静かつ公平な意見を聞くことで、顧問税理士の判断が間違っていないと確認することができます。
もしセカンドオピニオンの税理士から反対意見や別の意見が出たときは顧問税理士に確認することで、新たな意見やアドバイスをもらえるでしょう。
税理士のセカンドオピニオンでかかる費用の目安

セカンドオピニオンに必要な料金は税理士事務所によって異なるため、複数の税理士事務所を比較検討することが重要です。
あくまでも目安ですが、30分あたり1万円~3万円を設定している事務所が多いといわれています。
ただ、なかにはもっと高額な設定をしている事務所もあり、個人向けか法人向けかで料金設定も全く異なります。
法人の場合は事業の規模によっても見積もりされる金額に差が生じることになります。
1社だけで見積もりをとらず、複数社から見積もりを提示してもらうようにしましょう。
セカンドオピニオンを依頼するときの注意ポイント

顧問契約している税理士の意見の信憑性を確かめたり、新しい顧問契約先を探したりするのに便利なセカンドオピニオンですが、以下のような注意点もあります。
- 余分なコストがかかる
- 現状から経営状況が悪化するリスクもある
依頼する前に、自社にとって悪影響がないかを慎重に判断しましょう。
余分なコストがかかる
セカンドオピニオンは当然無料でなく、税理士事務所が設定した費用を支払うことになります。
顧問税理士に定期的に報酬を支払いながら、セカンドオピニオンの税理士にも契約に応じて報酬や顧問料を支払うことになります。
簡単にいえば2人分の税理士報酬を支払う必要があるため、企業の利益を圧迫する原因になりかねません。
相談内容は吟味を重ね、コスト以上のメリットがあることを確認してから利用しましょう。
現状から経営状況が悪化するリスクもある
新たな税理士の意見を取り入れた結果、かえって経営が悪化することもある点に注意が必要です。
特に長年にわたって顧問税理士にアドバイスをもらっている企業では、企業の内情を知った顧問税理士の判断のほうが正しいこともあります。
セカンドオピニオンの税理士の意見を全面的に採用することが正しいとは限らないと理解したうえで利用しましょう。
まとめ
税理士のセカンドオピニオンを利用することで、今までとは違った視点のアドバイスを受けることができます。ただし、2人分の税理士の報酬が発生するなどのデメリットもあります。
メリット・デメリットを理解したうえで、顧問税理士の判断に不安がある場合やより専門性の高い税理士を探したいときなどに利用を検討してみましょう。
監修者
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甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中! |






