決算申告と確定申告の違いを解説!期限や決算書の作り方も

投稿日: , 更新日: , 年末調整・確定申告

決算申告と確定申告の違いを解説!期限や決算書の作り方も

個人事業主として新しく事業を始めると、決算申告や確定申告といった専門用語に戸惑うかもしれません。決算申告は会社の成績をまとめる手続き、確定申告は個人の税額を計算する手続き。として使われる場合が多いようです。

(以下、その前提で話を進めます)

本記事は、両者の違いや準備すべき書類、確定申告の流れなどについて詳しく解説します。

決算申告と確定申告の決定的な違い

決算申告と確定申告の違いは、以下のとおりです。

  • 申告の目的の違い
  • 申告期限の違い

それぞれの目的や期限の違いを正しく理解しておけば、ご自身の申告準備をよりスムーズに進められるはずです。

申告の目的の違い

決算申告と確定申告の目的の違いをまとめると以下のとおりです。

  • 決算申告:会社の成績をまとめるのが目的。
  • 確定申告:個人の税金を計算するのが目的。

決算申告は主に法人が事業活動の収支をまとめ、会社の経営状況を明らかにする手続きを指します。一方で確定申告は、個人が1年間の所得を正しく計算して税務署に書類を提出する重要な手続きです。

個人事業主の場合は、日々の取引から毎年の決算処理を済ませたうえで最終的な確定申告へと進んでいきます。

申告期限の違い

決算申告と確定申告では、以下のとおり申告期限に違いがあります。

  • 法人の決算申告:決算日から2か月以内。
  • 個人事業主の確定申告:原則として翌年2月16日から3月15日。

法人の場合は事業年度を自由に決められるため、それぞれの会社ごとに申告を行うタイミングが異なります。

反対に、個人事業主の対象期間は全員共通で1月1日から12月31日までと法律で定められています。期限を過ぎると重いペナルティが発生する恐れがあるため、スケジュールに余裕を持った準備が欠かせません。

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公認会計士・税理士 甲田拓也事務所

決算申告と確定申告に必要な書類

個人事業主の確定申告と法人の決算では、必要書類が異なるため注意が必要です。ここでは、決算申告と確定申告でそれぞれ必要になる書類の概要を解説します。

提出書類の全体像をあらかじめ把握。しておけば、申告時期に慌てず落ち着いて準備を進められるでしょう。

【参考】法人の決算申告で提出する書類

まず、参考として法人の決算で必要な書類の例を見ていきましょう。

法人の決算申告では貸借対照表などの決算書類に加えて、勘定科目内訳明細書などを提出する必要があります。法人は個人の事業よりも規模が大きくなる傾向があり、より詳細な財務状況の報告が厳しく求められます。

名称 概要
法人税申告書 法人税の金額を計算して税務署に提出する基本の書類です。
決算書類 貸借対照表や損益計算書など会社の財務状況をまとめた書類となります。
勘定科目内訳明細書 預金や売掛金といった各勘定科目の詳細な内訳を記載し報告します。
法人事業概況説明書 会社の事業内容や経理の状況などを税務署に説明する書類といえるでしょう。

税務署への提出のみならず、株主への報告も視野に入れた正確な書類作成を意識せねばなりません。専門的な税務の知識が必要になるため、多くの法人は税理士に計算や書類の作成作業を依頼しています。

個人事業主の確定申告で提出する書類

個人事業主は確定申告書のほかに、青色申告決算書または収支内訳書を税務署へ提出。します。申告書類にはマイナンバーの記載が必須であり、本人確認書類の写しもあわせて準備しなければなりません。

ただし、e-Taxを利用して送信する場合は本人確認書類の写しの添付は省略できます。

名称 概要
確定申告書 1年間の所得や税額を計算して提出するもっとも重要な書類です。
青色申告決算書
※白色申告では収支内訳書
事業の売上や経費をまとめた書類であり申告の種類によって異なります。
本人確認書類の写し マイナンバーカードや運転免許証のコピーなどを台紙に貼って提出します。
各種控除証明書 生命保険料控除や医療費控除などを受ける場合に添付が必要な証明書といえます。

青色申告を選ぶと特別控除を受けられますが、複式簿記による詳細な帳簿付けが欠かせません。白色申告を選ぶ場合は収支内訳書を作成しますが、帳簿の作成や一定期間の保存義務は同様に課されています。

医療費控除や生命保険料控除を受ける場合は、それぞれの証明書も忘れずに添付して申告を済ませる必要があります。

個人事業主における決算作業のやり方と流れ

個人事業主における決算作業のやり方と流れは、以下のとおりです。

  • 帳簿の確認と決算整理仕訳の入力
  • 白色申告と青色申告における決算書の作り方
  • 確定申告書と合わせた税務署への提出

必要な書類や手順を順番通りにこなし、スムーズに税務署への提出を完了させましょう。

帳簿の確認と決算整理仕訳の入力

決算作業の最初のステップは、一年間の売上と経費がすべて帳簿に正しく記録されているかを確認。する作業です。手元の領収書や通帳の履歴と一つずつ照らし合わせながら、入力漏れや二重計上がないかを入念にチェックします。

帳簿の確認が終わったら、決算整理仕訳と呼ばれる年末特有の特別な会計処理を行わなければいけません。売れ残った商品の在庫を数えて棚卸しを行ったり、長期間使う高額な備品の減価償却費を計算したりします。

プライベートと事業の両方で使っている家賃や通信費についても、事業で使った割合だけを経費に分ける処理も必要になります。

白色申告と青色申告における決算書の作り方

白色申告を選んでいる場合と青色申告を選んでいる場合とでは、作成しなければならない決算書類の形式が大きく異なります。

自身の申告方法に応じて必要となる具体的な書類の名前と特徴をまとめましたので、以下の表で確認してください。

申告の種類 作成する決算書類 特徴と具体的な記載内容
白色申告 収支内訳書 比較的シンプルな形式。売上や仕入れ、各種経費の内訳を項目ごとに集計して記入します。
青色申告 青色申告決算書 詳細で専門的な書類。損益計算書で利益を計算し、貸借対照表で資産と負債のバランスを報告します。

国税庁が提供しているウェブサイトの作成コーナーを利用すれば、複雑な書類も迷わずスムーズに作成できます。画面の案内に従って手元の売上や経費の金額を入力していけば、複雑な計算を自動で行ってくれるため非常に便利です。

確定申告書と合わせた税務署への提出

完成した決算書類は単独で提出するのではなく、所得税の計算結果を記入した確定申告書と一緒に税務署へ提出。します。マイナンバーカードを持っている場合は、インターネットを使って自宅からデータを送信する電子申告が非常に便利です。

紙に印刷して直接提出する場合は、所轄の税務署へ直接持参するか、信書扱いとなる郵送方法で送付しなければいけません。提出を終えた後も、作成に使った帳簿や領収書などの関連書類は原則として7年間手元で大切に保管する義務があります。

期限に遅れると青色申告の特別控除額が受けられない恐れもあるため、3月15日の期限は必ず守りましょう。

個人事業主の確定申告の手間を減らす方法

個人事業主の確定申告の手間を省く方法は、以下のとおりです。

  • 会計ソフトの導入
  • 税理士への相談と依頼

自分に合った効率化の手段を取り入れ、本業に集中できる環境を整えましょう。

会計ソフトの導入

手軽で効果的な負担軽減策としては、クラウド会計ソフトの導入。をおすすめします。日付や金額を一つずつ手入力する手間が省けるため、日々の記帳作業にかかる時間を大幅に減らせます。

専門的な簿記の知識がなくても、画面の質問に答えるだけで自動的に正しい仕訳を作ってくれる機能も非常に便利です。年末になれば蓄積されたデータをもとに、最新の税制に対応した決算書や申告書を自動作成してくれます。

電子申告に対応しているソフトも多いため、書類の作成から税務署への提出までをソフト上ですべて完結させられます。

税理士への相談と依頼

事業の規模が大きくなり、自分一人で処理するのが難しくなった場合は、税金の専門家である税理士へ依頼。するのが確実です。領収書や通帳のコピーを渡すだけで、面倒な記帳作業から決算書の作成、税務署への申告まですべて代行してくれます。

専門家に任せれば計算ミスや申告漏れのリスクがなくなり、正しい節税対策のアドバイスを受けられるメリットも得られます。費用はかかりますが、申告作業に奪われていた時間を本業の売上アップに直結する活動に使えるようになります。

無料相談を実施している税理士事務所も多いため、まずは自分の状況を伝えて見積もりをもらってみましょう。

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公認会計士・税理士 甲田拓也事務所

まとめ

決算と確定申告は、事業の利益を正しく計算して税金を国へ納めるための非常に重要な手続きです。個人事業主の場合は1月1日から12月31日までの取引を帳簿にまとめ、翌年の3月15日までに所轄の税務署へ申告しなければいけません。

白色申告と青色申告で作成する書類の形式は異なりますが、日々の正確な記帳がすべての基本となります。手作業での集計が負担に感じる場合は、自動化機能が充実しているクラウド会計ソフトの導入を検討してみてください。

もしも事業の規模が大きくなって一人で処理しきれないときは、専門家である税理士へ相談するのも一つの有効な手段です。

早めの準備を心がけ、期限内に余裕を持って正しい申告を完了させましょう。

監修者

甲田拓也
甲田拓也 (公認会計士税理士甲田拓也事務所 代表)
早稲田大学卒業後、PwCグローバルファームや個人会計事務所を経て現事務所を設立。節税、資金繰り、IPO・マーケ支援を行うプロ会計士として活動。YouTubeでも情報発信中!

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